こんにちは、こうすけです。
2020年11月に県民共済住宅で建てた家が完成し、妻、娘、猫の4人で暮らしています。
間取りを考えたりショールームを回ったり、家づくりはとても楽しいものです。
一方で、家づくりにおけるつまらないことの代表が住宅ローンです。
変動金利がいいのか固定金利がいいのか、どこの銀行の金利が安いのかなど、考えることがたくさんあります。手続き自体もとても面倒。
ですが知識がないと、将来住宅ローンを払えず家を手放すことになる、という最悪の結末もありえます。
そこで今回は、つまらないけどとても大事な住宅ローンについて、本質を学ぶことができる本をご紹介します。
早速本のタイトルをご紹介すると、「ウサギのローン カメのローン~最高の住宅ローンを選ぶ方法~」という本です。
・・・ちょっと微妙そうなタイトルですよね。。。
ですがこの本を読むと、
- 住宅ローンを銀行員や不動産業者に相談してはいけない理由
- 変動金利と固定金利の選び方
- あなたの年収で借りていい金額
- 住宅ローンを借りているのに金融資産が増えていく方法
などがわかります。
僕自身現役の銀行員ですが、とても勉強になる本でした。
金利に対する考え方など、共感できる部分がたくさんありました。
そしてタイトルでわかるとおり、主人公であるウサギとカメが理想の住宅ローンを探すという物語形式で話が進んでいくので、とにかく読みやすいです。
特に、
- 自分が借りていい金額を把握していない人
- 変動金利を選ぼうと考えている人
- 積極的に繰上返済しようと思っている人
- 住宅ローンは銀行員に相談すればいいと思っている人
は読んだほうがいい内容です。
詳しくは実際に本を読んでほしいのですが、ポイントについてまとめたのでご参考にしてください。
途中厳しい言葉を使っているところもありますが、住宅ローンで失敗する人が少しでも減ってほしい、という気持ちであえて書きました。
それでは、本編をご覧ください。
理想のローンはどこにある?
あなたは住宅ローンを取り扱っている金融機関の数と、ローンの種類が何種類あるかご存知ですか?
この本によると、住宅ローンを取り扱っている金融機関は約1600社以上、ローンの種類は少なく見積もっても約3万種以上という数です。
2013年の本なので少しデータが古いですが、いまはさらに数が増えていると思います。
すべてを比較することは無理なので、ある程度絞るために、比較サイトや見積もり比較サービスを利用しましょう。
- 住宅ローン比較と金利ランキング:比較サイト
- モゲチェック:あなたが借りられる最も低い金利のローンを無料で探してくるサービス
変動金利に誘い込まれる3本の道
銀行に住宅ローンの相談をすると、変動金利を提案されることが多いです。
そして銀行が変動金利の説明をする場合、たいてい次の3つの話を持ち出すことが多いと書かれています。
- 「金利は上昇する可能性がある」と言いながら、同時に「しかし当面は上がらないだろう」と言う。
- 「金利はいつでも固定金利に変更できます」と言う。
- 変動金利には「5年特約」という激変緩和措置がありますと言う。
5年特約とは・・・
変動金利は原則として半年ごとに金利が変わります。変動金利の住宅ローンは、金利が上昇すれば毎月の返済額も半年ごとに増加しますが、金利上昇のスピードが速いと急激な返済額の増加が家計を圧迫するおそれがあります。
それを緩和するために、「5年間は同じ返済額のままでいいですよ」と約束しておくことを5年特約といいます。
これにより一時的な返済負担は増えないのでいい話に見えますが、トータルの返済負担は増えてしまうので注意が必要です。
毎月の返済額の内訳は「借りたお金(元金)+利息」ですが、5年特約では毎月返済額を一定にするために、返済額に占める元金の割合を減らします。
それでも支払いが追いつかない場合は、「未払利息」として後から精算することになります。
いまは金利が低い変動金利を選ぶ人が大半です。
銀行に行っても、変動金利をすすめられることが多いと思います。
ですが、金利上昇のリスクについてきちんと理解していますか?
現在は、2013年にスタートした日銀の金融緩和政策の影響で低金利が続いています。
しかし、この状態は景気が回復するまでの一時的な対応です。
同じように金融緩和を行っているアメリカでは、一足先に金融緩和政策を段階的に縮小(テーパリング)するための議論を始めています。
ヨーロッパでも景気回復、インフレ率の上昇によりテーパリングが意識されてきています。
テーパリングとは、いま購入している債券額を段階的に小さくしていくことです。
するとどうなるかという、債券の買い手が減るので債券の価格は下がり、金利は上がっていきます。
つまり、今後のことを考えるとこれ以上金利が下がる余地は少なく、逆に金利は上がっていく方向ということです。
銀行員は、「金利が上がったら変動から固定に切り替えればいいですよ」と言いますが、簡単ではありません。
変動金利が上がるなら、固定金利も当然上がっていきます。
仮に変動金利が2%に上がったら、固定金利は3~3.5%には上がっているでしょう。
そのとき、固定金利に借り換えるという判断が簡単にできるでしょうか?
もちろんいまの金利水準が続くなら、変動金利のほうが安いです。
しかし、変動金利を選ぶなら、借りた後も金利をチェックし続けるという覚悟が必要です。
そして、金利が何%になったら固定金利に切り替える、ということをあらかじめ決めておくことも重要です。
運命を分ける資金計画
資金計画というのは、簡単にいえば住宅ローンを選択するに当たって、絶対に欠かすことができないお金の計画のことです。
よい計画、悪い計画
資金計画と似た言葉に、予算があります。
予算とは、お金をいくら調達し、何に使うかを検討したうえで、その計画に問題がないかを確認する作業のことをいいます。
家を買う場合であれば、土地や建物の価格がいくらで、自己資金としていくら用意するかを検討し、そのために住宅ローンをいくら借りる必要があるか確認していく。それが予算です。
一方、資金計画とは、30年以上という長期間に渡り、ローンの返済や住宅を維持するために必要な支払いが滞りなく行えることを確認し、なおかつ完済させるための準備まで行うことをいいます。
よい資金計画とは、簡単にいえば、ローンの返済をしながらも貯蓄が増え、人生を楽しめる計画のことです。
マイホームを買ったはいいけれど、お金がなくて買いたい物ややりたいことを我慢し続けるというのは本末転倒ですね。
現在の保有資産・負債の金額を把握する
まずは、現在の保有資産や借入金、住宅ローン関係の金額を正確に把握する必要があります。
実際の金額がわからないと、住宅ローンの月々の返済額をいくら以内にすればいいのか判断できません。
- 保有資産:預貯金、株・投信、保険、現金など
- 借入金:自動車ローン、カードローン、分割払いなど
- 住宅ローン関係のデータ:土地代、建物代、借入希望額、諸費用
その借入計画で、貯蓄できますか?
この本では、毎月収入の5%以上。
つまり、月収30万円なら1万5000円以上を貯蓄に回せれば合格ラインと書かれています。
これは何のための貯蓄かというと、急な出費と老後資金の準備のためです。
ローンの返済と生活費で収入がなくなってしまったら、将来の老後資金が確保できませんね。
借入希望額と借入可能額のちがい
毎月、収入の5%を貯蓄に回せるかどうかを計算できたら、それがあなたが毎月返済に回せる金額の上限です。
その金額を元にシミュレーションすれば、借入希望額が計算できます。
もう1つ似た言葉に、借入可能額があります。
借入可能額とは、銀行が貸してくれる上限金額のことです。
銀行は、貸したい人には限界ぎりぎりまで借りてほしいと思っています。
銀行が計算した金額で借入すると生活が苦しくなるので、注意しましょう。
自己資金はなるべく入れたほうがいい?
月々の返済と総返済額を減らすために、自己資金を多く入れようと思っている人がいるかもしれません。
自己資金が多いほうが支払い利息が減るというのは正しいのですが、自己資金の入れすぎには注意が必要です。
なぜなら、手元資金が少ないと、急な出費などに対応できないからです。
また、手元に現金が少ないと、運用しても利益が増えづらいということもあります。
たとえば年利5%で運用できたとすると、
- 運用資金10万円:運用益5,000円
- 運用資金100万円:運用益5万円
- 運用資金1,000万円:運用益50万円
となり、かなり差がでることがわかります。
低金利時代の今だからこそ、うまく運用して将来に備える必要があります。
繰上返済はしたほうがいい?
先ほどの自己資金の話とも関連しますが、繰上返済もやりすぎは禁物です。
よっぽど余裕があれば繰上返済してもいいですが、基本的にはやらないほうがいいと思います。
繰上返済で手元現金が減ると生活が苦しくなり、急な出費にも対応できなくなります。
手元現金は多いほど安心なので、繰上返済はおすすめしません。
それに金利1%で借りているなら、それ以上の利回りで運用すればお得になりますね。
いまは人生100年時代に突入し、老後期間が長くなっています。
高齢者が増えることで、年金をもらえる年齢もどんどん遅くなっていくはずです。
まとめ:本を読んで、あなたが借りていい住宅ローンの金額を知りましょう
今回は住宅ローンの本質を勉強できる、「ウサギのローン カメのローン~最高の住宅ローンを選ぶ方法~」という本をご紹介しました。
この本を読むと、
- 住宅ローンを銀行員や不動産業者に相談してはいけない理由
- 変動金利と固定金利の選び方
- あなたの年収で借りていい金額の計算方法
- 住宅ローンを返済しながら貯蓄を増やすための考え方
などを学ぶことができます。
また、住宅ローンを取り扱っている金融機関や、ローン商品の数はとても多いです。
すべての商品を比較するのは不可能なので、金利比較サイトや無料見積もりサイトを使い、ある程度数を絞って検討しましょう。
- 住宅ローン比較と金利ランキング:比較サイト
- モゲチェック:あなたが借りられる最も低い金利のローンを無料で探してくるサービス
最後に
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
住宅ローンはつまらないし面倒ですが、失敗すると数百万円単位で損してしまいます。
しっかりと勉強し、あなたの考え方に合った住宅ローンを選んでください。
それでは、家づくりを楽しんでください。