ご存じですか?日本には、人口1,000人あたり1社の建築会社があるそうです。
つまり、日本全体では10万社以上の建築会社があるということになります。
『10万社もの中から、自分たちにあった最高の建築会社を1社探しあてる』というのは、かなり難しそうですよね。。。
そのため、世の中には、
-
ハウスメーカーを選べない
-
ハウスメーカーの絞り込み方を知りたい
-
◯◯会社が気に入っているけど、悪い口コミがあって不安
といった悩みを抱えている人がたくさんいます。
そこで今回は、こんな悩みを解決できる記事を用意しました。
この記事を読めば、『ハウスメーカーの正しい選び方』を理解することができますよ!
実は、我が家も20社ほどのハウスメーカー・工務店を回り、迷った末に1社に決めました。
今回はそのときの経験と、銀行員(FP2級、宅建士保有)としてハウスメーカーの人とよく一緒に仕事をしている経験をもとに記事を書いたので、最後まで読んでくださいね!
ハウスメーカーと工務店・設計事務所との違いは?
家を建てようと思ったときは、『ハウスメーカー・工務店・設計事務所』の3つの選択肢があります。
ハウスメーカー・工務店・設計事務所とは?
それぞれの特徴を見ていきましょう。
ハウスメーカーとは?
正式な定義はありませんが、全国または広範囲に展開している大手の建築会社です。
積水ハウスやヘーベルハウスなどが有名ですね。
工務店とは?
地元の中小の建築会社です。注文住宅の大半は工務店で建てられています。
設計事務所とは?
設計だけを行う事務所で、施主とは設計契約を結びます。建築会社は別途選ぶ必要があります。
ハウスメーカー・工務店・設計事務所のメリット・デメリット
ハウスメーカー、工務店、設計事務所のメリット・デメリットをまとめました。
種類 | メリット | デメリット |
ハウスメーカー |
|
|
工務店 |
|
|
設計事務所 |
|
|
ハウスメーカーの選び方【7ステップ】
つづいて、ハウスメーカーの選び方を7ステップに分けて解説していきます。
ステップ1:いきなり住宅展示場に行かない
国交省の調査によると、注文住宅における情報収集方法の第一位は、『住宅展示場』での情報取得という結果が出ています。
実際、家づくりを始めるとき、『まずは住宅展示場に行ってみよう』と考える人が多いのではないでしょうか。
しかし、何の情報もなしに住宅展示場に行くのは危険です。
なぜなら、『相性の悪い営業があなたの担当者になる可能性がある』からです。
展示場に行くと、アンケートの記入を求められます。
ここで名前を書くと、そのとき案内してくれた営業が担当者になってしまいます。
もちろん担当変更してもらうことも可能ですが、余計な手間がかかってしまいます。
また、強く言えない性格の人は、担当変更をお願いできない場合もあるでしょう。
ステップ2:資金計画を立てる
では、最初にすべきことは何でしょうか?
それは、資金計画を立てることです。
なぜなら、資金計画を立てないと家にいくらまでお金をかけていいかわからず、ハウスメーカーを選ぶことができないからです。
・資金計画とは?
資金計画とは、30年以上に亘り、ローンの返済や住宅を維持するために必要な支払いが滞りなく行えることを確認し、なおかつ完済するための準備まで行うことをいいます。
もっと簡単に言うと、『ローンの返済をしながらも貯蓄が増え、遊びにもお金を使える計画を立てる』ということです。
マイホームを買ったはいいけれど、お金がなくてやりたいことができない、というのでは本末転倒ですよね。
では、ローンの返済をしながら貯蓄が増える計画にするには、どうすればいいでしょうか?
具体的には、次の2つの手順で計画を立てましょう。
- 現在の保有資産・負債の金額を把握する
- 月収の5%以上を貯蓄に回す計画にする
現在の保有資産・負債の金額を把握する
まずは、現在の保有資産や借入金の金額を正確に把握しましょう。
実際の金額がわからないと、月々の返済額をいくら以内にすればいいか判断できないからです。
保有資産:預貯金、株・投信、保険、現金など
借入金:自動車ローン、カードローン、分割払いなど
月収の5%以上を貯蓄に回す計画にする
月収30万円なら、1.5万円以上を貯蓄に回せる計画にしましょう。
これは、急な出費と教育費・老後資金の準備などに回すためです。
参考
詳しく知りたい人は、「ウサギのローン カメのローン~最高の住宅ローンを選ぶ方法」という本がおすすめです。
住宅ローンで失敗しないための考え方がかなり詳しく書いてありますよ。
ステップ3:要望を紙に整理する
資金計画を立てたあとは、要望を紙に整理しましょう。
口頭で話すと疲れますし、「今日のハウスメーカーには伝えたけど、この前のハウスメーカーには伝え忘れた」といったことが出てきます。
伝えもれを防ぐためにも、要望は紙にまとめて渡すようにしましょう。
我が家ではこのような要望を用意して渡していました。
ステップ4:ハウスメーカーの特徴を調べる
資金計画を立て、要望を整理したら、いよいよハウスメーカーのことを調べ始めます。
ですが、やみくもに調べると比較ができないので、いくつかポイントを押さえておきましょう。
次の7つは調べておくといいですね。
- 工法
- 性能
- 坪単価
- 商品の特徴
- アフターサポート
- 保証
- 口コミ
工法
ハウスメーカーは、会社毎に得意な工法が異なります。
工法により耐震性なども変わってくるので確認しておきましょう。
種類 | 特徴 |
代表的なハウスメーカー |
木造軸組構法 |
|
|
2×4工法(枠組壁式工法) |
|
|
プレハブ軸組工法 |
|
|
プレハブパネル工法 |
|
|
プレハブユニット工法 |
|
|
性能
耐震性や断熱性、気密性などをチェックしましょう。
耐震等級が同じ3だとしても、会社により耐震性は大きく異なります。
ポイント
数字だけにとらわれず、各社の性能をしっかりと確認しましょう。
坪単価
坪単価とは、本体価格を家の面積で割ったものです。
家の面積はベランダ、小屋裏収納、地下室、玄関ポーチなどを含まない延床面積と、それらを含む施工床面積があります。
どちらの面積で計算しているかは会社毎に異なるので、確認しましょう。
商品の特徴
同じ会社でも、コンセプトの違う商品がいくつかあることが多いです。
例えば、積水ハウスだと次のような商品があります。
積水ハウスの商品例
-
イズ・ステージ:深い軒が美しい切妻屋根と存在感ある佇まい。街のシンボルとなる「日本の邸宅」
-
イズ・ロイエ:ダインコンクリートの彫の深さを生かしたデザインと多彩な空間づくりが魅力
-
ビー・サイエ:深化した心地よさを日本の住まいに。四季を感じ自然体で暮らす家
これだけではなく、他にもたくさんの種類がありました。
全部を確認する必要はありませんが、好みの商品の特徴は押さえておきましょう。
アフターサポート
家づくりは、家を建てて終わりではありません。むしろ、住み始めてからが本番です。
そのため、アフターメンテナンスを含めたサポート体制もチェックしておきましょう。
保証
アフターサポートと同じ理由で、保証も大切です。
なぜなら、いまは技術が向上し、家の寿命が伸びているからです。
なるべく保証が長期間続いてくれれば、出費を抑えられて助かりますよね。
一定の条件はありますが、ヘーベルハウスでは60年保証を掲げています。
保証期間が長いということは、ハウスメーカーの自信のあらわれともとれますね。
口コミ
ハウスメーカーを選ぶメリットの1つは、公表されている情報が多いことです。
口コミも多いので、次のようなサイトで先輩の意見をチェックしましょう。
ステップ4のまとめ
以上が、ステップ4「ハウスメーカーの特徴を調べる」の内容でした。
ここまで読むと、「思ったより調べることが多いな」と不安になった人もいるかもしれません。
ですが安心してください。
これらの情報をゼロから調べる必要はまったくありません。
次の本を読めば、だいたいの情報を得ることができます。
1級建築士の先生が1社ずつ総評を書いてくれており、専門家の意見も知ることができます。
Kindle Unlimited会員の方は無料で読めますよ。
ステップ5:5社に絞って住宅展示場を回る
ステップ4でハウスメーカーの特徴を調べたら、実際に見に行くハウスメーカーを5社に絞りましょう。
5社の理由
ですが、5社の理由が気になるのではないでしょうか?
これはシンプルに時間の問題です。
間取りプランや見積もりをもらうためには、最低2回の打ち合わせが必要です。
仮に5社の場合、間取りプランをもらうまでに20時間必要になります。
2時間×2回×5社=20時間
1社増えるごとに4時間増えてしまうので、無理なく回るには5社までにしておくのが良いでしょう。
5社で足りるの?
とはいえ、5社で足りるのか心配になる人もいると思います。
心配な人は、『無料見積もり・間取りプラン作成サービス』を利用しましょう。
これは展示場に行くことなく、見積もりと間取りプランを作成してもらえるサービスです。
5社に絞るデメリットは、さまざまな間取り提案を受けられないことです。
ですが、『無料見積もり・間取りプラン作成サービス』を利用することで、そのデメリットを解決することができます。
タウンライフが有名でおすすめですよ。
5社に絞れないとき
5社に絞れない場合は、第三者に相談してみるのも1つです。
ホームズくんのCMでおなじみのLIFULL HOME’Sが、「LIFULL HOME’S 住まいの窓口 」というサービスを展開しています。
-
面談で相談をして、あなたに合ったハウスメーカーを提案してくれる。
-
ハウスメーカーとの打ち合わせの際、チェックポイントをアドバイスしてくれる。
- ハウスメーカーへ、代わりに断りの連絡をしてくれる。
- 担当変更の要望があったら、ハウスメーカーへ代わりに連絡してくれる。
-
ハウスメーカー紹介後もサポートしてくれる。
面談は、店舗相談とビデオ通話相談から選べます。
第三者の意見を聞いてみたいという場合は、「住まいの窓口」へ相談してみましょう。
優秀な担当者に当たるまでアンケートを書かない
1つ目のステップで、『展示場でアンケートを書くと、その人が担当になってしまう』と書きました。
相性の悪い担当者に当たらないためには、優秀な担当者と出会うまでアンケートを書かないことです。
この人は信頼できそうだなという担当者と出会うまでは、アンケートを書かないようにしましょう。
今日は見るだけで名前は書かなくてもいいですか?」
と聞けばアンケートを書かずに中を見ることができますよ。
もしも断られたら、そのハウスメーカーはやめておくのが無難です。
優秀な担当者の見分け方
では、優秀な担当者かどうかをどのように見分ければ良いでしょうか?
次の4つをクリアしているかを確認してみましょう。
- 成約件数が多い
- 難しい注文に対応する能力がある
- 自社、他社の特徴を理解している
- 最新の住宅事情を勉強している
優秀な担当者を見分ける5つの質問
具体的には、次の5つの質問を投げかけてみてください。
- いままで何件ぐらい担当されましたか?
- 最近はどんな仕事をされていますか?
- いままでで一番難しかった依頼はなんですか?
- 御社ならではの特徴はなんですか?
- 将来を見据えて、家づくりで考えておくべきことはなんですか?
①、②の質問で、成約件数が多いか、最近も成約しているかどうかがわかります。
担当者の経験が浅いと良い提案を受けられないので、さまざまな案件を経験していることが大事です。
③いままでで一番難しかった依頼はなんですか?
担当者が施主の難しい依頼に対応できるかがわかります。
また、難しい依頼がきたときに、施主に向き合ってくれるかもわかります。
④御社ならではの特徴はなんですか?
ハウスメーカーを選ぶうえで、他社に比べてどこが優れているかを知ることは大切ですね。
自社に加えて他社の特徴を理解していないと答えられない質問です。
⑤将来を見据えて、家づくりで考えておくべきことはなんですか?
住宅業界は日々進歩しています。
以前は優秀な担当者だっとしても、勉強を続けないと知識がどんどん古くなっていきます。
少し古いニュースですが、例えば、世界では電気自動車への切り替えが進んでおり、日本でも2035年以降の新車販売は、電気自動車のみにすると発表されました。
それに備えるためには、電気自動車用の充電コンセントを駐車場につけておく必要がありますね。
こういった情報を素早くキャッチし提案に盛り込んでくれる、向上心のある担当者を選びましょう。
ステップ6:2~3社に絞る
5社から見積もりと間取りプランの提案を受けたら、さらに2〜3社に絞りましょう。
ハウスメーカーとの打ち合わせは2週間に一度行うことが多いので、5社検討すると休みがほぼ潰れてしまうからです。
ポイント
疲れないためにも、真剣に検討するのは2~3社にしておきましょう。
現場見学会に行く
2〜3社に絞る際は、現場見学会に行くことをおすすめします。
現場見学会とは、実際に建築中の現場を見に行くことです。
ここでは、『現場がきれいに整理されているか?』をチェックしてください。
よく言われる話ですが、監督が優秀だと現場がきれいに整理されています。
逆に現場が汚いと、施工も手を抜かれる可能性があります。
ポイント
現場見学会では、現場がきれいに整理されているかをチェックしましょう。
また、ヘーベルハウスでは建築後の家を見ることもできます。
オーナーの生の声を聞けるので参考になりますよ。
ステップ7:1社に決める
間取りや仕様が決まってきたら、いよいよ1社を選びます。
すんなりと決められれば問題ありませんが、迷ってしまう場合もあると思います。
迷った場合は、次の3つを参考にしてみてください。
間取り確定前に契約を急かされないこと
ハウスメーカーからは、「契約後も間取りを変えられるので、まずは契約しましょう」と言われることが多いです。
ですが実際には、契約すると施主とハウスメーカーの立場が逆転し、施主側の要望が通りづらくなります。
そのため、間取り確定前に契約しないよう注意してください。
それでも急かされる場合は施主のことを考えてくれない会社(担当者)なので、選ばないほうが良いでしょう。
ココに注意
間取り確定前に契約しない。
要望を全部出し、予算内に収まること
気に入ったハウスメーカーだとしても、予算オーバーする場合は諦めましょう。
家づくりがゴールではありません。
家が完成し、その家で家族と楽しく幸せに暮らすことが目的のはずです。
最初決めた予算をオーバーするようであれば、どんなに良いハウスメーカーでもお断りしましょう。
多少の予算オーバーであれば、家計を見直して無理のない返済計画になることを前提に、契約しても良いかもしれません。
住宅の性能と営業担当者を信頼できること
最終的には、住宅の性能と営業担当者を信頼できることが一番です。
間取りだけではなく、耐震性や断熱などあなたが重視する住宅性能を満たしているか。
そして家づくりを共に行う仲間として、信頼できる担当者なのかどうか。
ポイント
もし信頼できるのであれば、契約することを前向きに検討しましょう。
まとめ:ハウスメーカー選びは事前準備が大切
この記事を読むことで、ハウスメーカー選び方を理解することができたと思います。
いきなり住宅展示場に行くのではなく、事前準備をしてから家づくりをスタートしましょう。
そして、事前準備が終わったら、次の手順でハウスメーカーを選んでいきます。
-
5社に絞って住宅展示場を回る(【PR】タウンライフを併用)
-
5社に絞れないときは、「LIFULL HOME’S 住まいの窓口 」で第三者に相談する
-
優秀な担当者と出会うまでアンケートは書かない
-
現場見学会に参加し、2〜3社に絞る
-
1社を選ぶ(最後は『住宅の性能と営業担当者を信頼できること』)
ハウスメーカーの断り方で悩んでいる方は、次の記事も参考にしてください!
-
参考【例文付き】ハウスメーカーのスムーズな断り方を徹底解説
続きを見る