この記事で解決できるお悩み
こんな疑問を解決できる記事を書きました。
僕は銀行員という仕事柄、たくさんの不動産相談を受けてきました。
その中で特に多いのが、共有している不動産をどうしたらいいでしょうか?という相談です。
共有持分を持っていて悩んでいる方に役立つ内容となっているので、ぜひこのまま読み進めてくださいね。
共有持分だけではなく、再建築不可や事故物件などの訳あり物件について知りたい方は、訳あり物件買取プロの記事が参考になりますよ。
多くの訳あり物件を買い取っている株式会社Alba Link(アルバリンク)さんが運営しているメディアで、詳しい情報がたくさん載っているのでおすすめです。
不動産の共有とは?
まずはじめに、『不動産の共有』とはどういった状態のことでしょうか?
一言で説明すると、1つの不動産を、複数の人が一緒に保有している状態のことです。
父親が亡くなって、子供二人が自宅を相続したときのことを想像するとイメージしやすいですね。
ポイント
子供A、子供Bが自宅を一緒に保有している状態を、『不動産の共有』と言います。
共有持分ってなに?
では、『共有持分』とは何でしょうか?
共有持分とは、不動産を共有している人が、その不動産を保有している割合のことです。
先ほどの例で言うと、子供Aと子供Bが均等に相続したとすると、共有持分はそれぞれ2分の1ずつとなります。
共有持分を売却する2つの方法
あなたが不動産の共有持分を持っている場合、売却する方法は2つあります。
- 不動産全体を売却する
- 共有持分だけを売却する
この2つは売り方がまったく異なるので、それぞれ違いを見ていきましょう。
不動産全体を売却するときは、共有者全員の同意が必要
一般的なのは、共有となっている不動産の全体を売却する方法です。
この場合は、共有者全員の同意が必要となります。
つまり、あなたが2分の1の権利しか持っていない場合は、単独では全体を売れないということです。
なので、不動産全体を売却するときは、AさんとBさん二人ともが売却に同意しないといけません。
第251条1項 各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。
ポイント
不動産全体を売却するのが一番高く売れる方法なので、まずは他の共有者と連携して、全体での売却を検討してみましょう。
共有持分だけを売却するときは、他の共有者の同意は不要
もう一つの方法は、あなたが持っている共有持分だけを売却するという方法です。
これが今回のメインテーマとなりますが、共有持分だけを売却するときは他の共有者の同意はいりません。
つまり、あなた一人の判断で売却できるということですね。
本来は不動産全体で売却した方がいいですが、次のような事情があるときは、共有持分だけの売却を検討してみましょう。
- 共有者と仲が悪い
- 共有者と連絡が取れない
- 共有者が多すぎて全員の同意を取ることが難しい
- 共有者の中に売却に同意してくれない人がいる
共有持分だけを売却する3つの方法
では、どのようにすれば共有持分だけを売却できるのでしょうか?
具体的には、次の3つの方法があります。
- 共有者に売却する
- 分筆して単独所有にした後に売却する
- 第三者に売却する
順番に見ていきましょう。
1.共有者に売却する
一番おすすめなのが、共有者に買い取ってもらうという方法です。
共有持分の場合、一番高く買ってくれるのは共有者です。
全体での売却に反対する共有者がいるようであれば、「じゃあ買い取ってくれませんか?」という話をしてみましょう。
その家に住んでいるなど、売りたくない理由があれば高値で買い取ってくれる可能性もありますよ。
さらに詳しく
もしお互いに合意した場合は、売買契約を結ぶ必要があります。
後でトラブルにならないためにも、不動産仲介業者に物件の調査や契約書の作成をお願いし、仲介してもらいましょう。
売買する相手が決まっているので、割引してくれる可能性もあると思いますよ。
ただ、共有者に買い取る資金がない場合も多いので、うまく話がまとまらないこともよくあります。
買い取ってもらうことが難しい場合は、2つ目の方法を検討してみましょう。
仲介手数料については【注文住宅を建てる人必見】仲介手数料ってなに?いくらかかるの?を参考にしてください。
2.分筆して単独所有にした後に売却する
次に考えるべきは、分筆して単独所有にした後に売却する方法です。
たとえば、100坪の土地をAさんとBさんで半分ずつ共有していたとして、50坪ずつに分けてしまうという方法です。
共有状態のときは100坪の土地にAさんとBさん二人の権利が存在しますが、50坪ずつの土地に分けて、片方をAさん、もう片方をBさんの所有にします。
そうすると一人の名義になるので、自由に売却できるようになるんです。
とても良い方法ですよね。
ここに注意
ですが、土地の形や陽当たり、道路付けなどによってきれいに分割することが難しい場合もあります。
そもそも土地が20坪しかない場合、2つに分けられないといったこともありえるので気をつけてください。
分筆は共有者との話し合い含め難易度が高いので、検討するときは慎重に進めましょう。
3−1.第三者に売却する
3つ目が、自分の共有持分のみを第三者へ売却するという方法です。
他の共有者が買い取ってくれない場合、現実的にはこの方法しか残されていないことがほとんどです。
なぜでしょうか?
3−2.一般個人が共有持分を買わない理由
たとえば、土地と建物をAさんとBさんが共有している場合を考えてみましょう。
Aさんが、自分の持分を第三者に売却したいとします。
そのときあなただったら、Aさんの共有持分を買いたいと思いますか?
もしあなたがAさんの持分を買ったとしても、家に住む権利はあなただけではなくBさんにもあります。
つまり、まったく知らない赤の他人と一緒に住まないといけない可能性があるということですね。
何か特別な事情がない限り、そんな不動産を買おうとは思いませんよね?
ポイント
では、共有持分を売却したいとき、誰か買ってくれる人はいるのでしょうか?
3−3.共有持分は誰が買ってくれるの?
共有持分を買ってくれるのは、不動産買取業者です。
不動産買取業者は、利益が出ると思えば、その不動産を買ってくれます。
共有持分を買ってくれる人がいるなら一安心ですね。
ですが、いくつか気をつけたほうがいいポイントがあるので、注意しましょう。
3−4.物件によっては買ってもらえない
不動産買取業者は、利益を出すために物件を買います。
そのため、そもそも需要がない場所の物件などは、買い取ってもらえない可能性があります。
3−5.共有持分の売却は半値を覚悟
また、買い取ってもらえる場所の不動産だとしても、市場価格より安くなってしまいます。
なぜでしょうか?
不動産買取業者はあなたの共有持分を買い取った後、共有者の持分も買って単独所有にしようとします。
ですが、すぐ応じてもらえるかは共有者と話をするまでわかりません。
場合によっては長期化する可能性もあります。
そうなると人件費がかかりますし、投資したお金を回収するまでに時間がかかります。
そのため、あなたの共有持分を相場より安く買わないと利益が出ないんですね。
ここに注意
都心部だと多少高く買い取ってもらえると思いますが、半値程度になることを覚悟しておきましょう。
3−6.共有持分の買取をしない不動産買取業者が多い
ちなみに、不動産買取業者には得意不得意があります。
共有持分の買取をしていない不動産買取業者もあるので、注意してくださいね。
なぜなら、共有持分の買取には専門的なノウハウが必要だからです。
理想的な不動産買取業者の探し方
ですが、どのように不動産買取業者を探せばいいか悩んでしまいますよね?
そんな方は、次の3つのポイントをチェックしてみてください。
- ホームページがきれいに整っているか
- 買取実績があるか
- 相談したときの対応が良いか
ホームページがきれいに整っているか
まずは、ホームページがきれいに整っているかをチェックしましょう。
いまは、ネットで検索する人がほとんどです。
自社をアピールするホームページがあまり更新されず見映えも悪かったら、お客さんに向き合っている会社とは言えないですよね。
ポイント
ホームページをチェックして、お客さんに向き合ってくれる会社かどうかをチェックしてみましょう。
買取実績があるか
次に、共有持分の買取実績があるかどうかをチェックしましょう。
ホームページを見ると、買取実績を公開している不動産買取業者が多いです。
不慣れな不動産買取業者に相談すると安い金額でしか買い取ってもらえず、損をしてしまいます。
ポイント
実績のある不動産買取業者かどうか、慎重に見極めましょう。
相談したときの対応が良いか
最後にチェックすべきは、実際の対応が良いかどうかですね。
良さそうな不動産買取業者を見つけたら、査定を依頼します。
そのときの対応を見て、買取を依頼するか判断しましょう。
良い不動産買取業者は、査定の前にいろいろと質問してくるはずです。
- 共有になっている理由
- 共有者との関係性
- 何で共有持分の売却を検討しているのか
などですね。
もしかすると、査定金額だけ教えてくれればいいよと思うかもしれません。
ですが、中には高い金額を提示して興味を引いて、その後理由をつけて安く買い叩いてくるような不動産買取業者もいます。
共有持分を売却する流れ
ここまでで良い不動産買取業者の探し方がわかったと思うので、次は共有持分を売却する流れを解説していきます。
共有持分を売却する場合、以下の流れで進めるのが一般的です。
1.不動産買取業者を探す
まずは、インターネットで調べて、信頼できそうな不動産買取業者を探しましょう。
探し方は、上で紹介したとおりです。
2.査定を依頼する
信頼できそうな不動産買取業者を見つけたら、査定を依頼します。
いまはインターネット上で依頼できるところが多いので、案内に沿って情報を入力していけばOKです。
たとえば、共有持分買取大手のAlbaLinkさんが運営している【訳アリ物件買取PRO】ですと、次のような情報が求められます。
- 物件の種別(土地、戸建、アパートなど)
- 物件住所
- 連絡先
- 物件の詳細
入力が終わったら、不動産買取業者からの連絡を待ちましょう。
3.査定結果を見て検討する
査定が終わると、不動産買取業者から連絡が来ます。
いくらで買い取れますよという提案があるので、提示された価格と条件で売却するかどうかを検討しましょう。
4.売買契約を結ぶ
不動産買取業者から提示された価格と条件に納得したら、売買契約を結びます。
契約書は不動産買取業者が用意してくれるので、依頼された書類などを持って契約に臨みましょう。
契約の際は手付金を受けとるので、現金払いなのか、振込対応もしてくれるのかを事前に確認しておくと安心です。
5.決済・引渡しをする
その後、残代金を受け取り、不動産買取業者へ物件を引き渡します。
あとは共有持分の登記を不動産買取業者へ移したら、手続きはすべて完了です。
契約から決済までにどのぐらい期間が必要かは、不動産買取業者との相談になります。
一般の個人ですと、ローンのことなどがあり2~3ヶ月かかったりしますが、不動産買取業者はもっと早く対応してくれるはずです。
早めに資金が欲しい理由などがあれば、査定結果を聞くときに伝えておきましょう。
査定依頼のときに伝えると売り急いでいると思われて、足元を見られるかもしれません。
6.税金を払う
共有持分の売却によって利益が出たら、税金を支払わないといけません。
簡単に言うと、売却金額から取得価格・経費などを引いて、利益が出ていたら税金を支払うことになります。
不動産買取業者の担当者もその辺りはよく知っているはずなので、相談してみましょう。
ポイント
きちんと説明してくれるかどうかで、信頼できる不動産買取業者かどうかを判断することもできますね。
共有持分を売却するときの3つの注意点
ここまでの話で、共有持分を売却するときの流れがわかったと思います。
ただ、共有持分を売却するときには注意点もあります。
3つ紹介するので、売却の際は注意してください。
- 売却することを共有者に伝えない
- 不動産仲介会社には相談しない
- 弁護士にも相談しない
1.売却することを共有者に伝えない
一つ目の注意点は、共有持分を売却することを共有者には伝えないということです。
共有者からすると、不動産買取業者と共有状態になることは、まったく嬉しくない話です。
ここに注意
反対されるだけなので、共有者には伝えないようにしておきましょう。
2−1.不動産仲介業者には相談しない
共有持分を売却するときは、不動産仲介会社に依頼するのはやめておきましょう。
『仲介』は自社で買い取るのではなく、買主を探して売主とマッチングすることが仕事です。
ですが先ほど説明したとおり、一般の人が共有持分を買う可能性はほとんどありません。
2−2.共有者との関係性が悪化するリスク
じゃあ仲介業者はどうするかというと、他の共有者へ買取の話をしに行くんですね。
ですが、共有者は仲介業者のことをあなたの味方だと判断します。
そうすると、共有者との関係がさらに悪化してしまう危険性があります。
2−3.最悪、買い取ってもらえなくなる
こうなってしまうと、不動産買取業者が共有持分を買い取った後、共有者との交渉が難航する可能性が高くなります。
そのため、あなたが不動産買取業者へ査定依頼をしたとき、査定金額が下がりやすくなります。
最悪のケースですと、買い取ってもらえなくなることもありえますね。
ここに注意
売却できなくならないよう、不動産仲介会社に相談するのはやめておきましょう。
3.弁護士にも相談しない
同じ理由で、弁護士に相談するのもおすすめしません。
共有持分を売却するときは、最初から不動産買取業者に相談しましょう。
共有不動産を持つ4つのデメリット
最後に、共有不動産を保有する4つのデメリットをお伝えします。
具体的には次の4つです。
- 自分一人で使えない
- 相続が起きると共有者がさらに増える
- 固定資産税がかかる
- 管理負担がある
費用面での負担、管理面での負担があるので、共有不動産を持ち続けるのか売却するのか、しっかりと検討することをおすすめします。
1.自分一人で使えない
不動産をあなた一人で持っていたら自由に使えますが、共有状態だと共有者と意見を合わせる必要があります。
自分一人で判断できないのは、大きなデメリットと言えます。
2.相続が起きると共有者がさらに増える
共有状態になっていると、怖いのはさらに共有者が増えることです。
兄弟ならまだ意見を合わせやすいかもしれませんが、さらに次の世代に移ったりすると収拾がつかなくなります。
ポイント
子どもがいない家庭だと、相続人が10人以上いるといったケースもよくあります。
3.固定資産税がかかる
その不動産を使っていなかったとしても、固定資産税は毎年払わないといけません。
使い道がないのに税金だけ払うというのは、とてももったいないですね。
4.管理負担がある
誰かが住んでいればいいですが、誰も住んでいないと、たまに様子を見に行く必要があります。
特に、最近は空き家問題が深刻になっているので、近所の人の迷惑にならないようにしなければいけません。
ここに注意
使わない不動産なのに、管理までしないといけないのはとても大変です。
まとめ:共有不動産は早めの対応が必要です
今回の記事では、以下の内容をお伝えしました。
- 共有持分は共有者の同意なしに売却できる
- 共有持分は、不動産買取業者に売却することがほとんど
- 信頼できる不動産買取業者の探し方
- 共有不動産を持つデメリット
共有不動産の売却は、後になればなるほど大変になっていきます。
すぐには売却に踏み切れなくても、いくらぐらいで売れるのかは知っておくといいのではないでしょうか?
【訳アリ物件買取PRO】で無料で査定をしてもらえるので、共有不動産で悩んでいる方は一度査定を依頼するといいと思いますよ。